先日仕事が終わって軽く食べて帰ろうと思い、とある飲食店へ行きました。
お客様の数はまばらでしたが、そのお客様達のなかにとても残念な中年のサラリーマン2人組を見ることに。
飲食店での出来事
アルバイトらしきお兄さんとなにやら話し込んでいるのかと思ったら、延々と説教らしきものをされていました。
いきさつはよくわからなかったけど、たぶん店員さんの態度が気に障った程度の事だろうと察しはつきました。
もしかしたら、少し酔っていたのかもしれません、話し終わったのかと思えば、いきなり大声で「わかったか!!!」って。
騒ぎを敏感に察知した他の店員。すぐに奥から店長さんなのかなにかわからないけど、その場の責任者らしき方が2人出てきて、もう平謝りを繰り返すだけ。
そんな時、ひと言の気になるフレーズが聞こえました。
「お客様は神様って、お前ら知らないのか?」
何かによほど頭にきたんだろうが・・・
残念ですよね。
お客様は神様です
この二人は「お客様は神様」を大きく勘違いしているのでしょう。
この言葉、よく聞きますよね?
「お客様は神様です」
この言葉がどうやって生まれたのか、みなさんはご存じでしたか?
お金を払う、もしくはサービスを提供してもらう側が「神」?
いいえ、元々の意味は全然違うんです。
名言「お客様は神様です」はどうやって生まれたのか?
このフレーズ、実はこういう話しから広がっていったのですね。
故三波春夫さんがとある会談中に話したことから始まりました。
出典:http://www.livespire.jp/cnt/event/detail.html?eid=10125
『歌う時に私は、あたかも神前で祈るときのように、雑念を払って澄み切った心にならなければ完璧な藝をお見せすることはできないと思っております。ですから、お客様を神様とみて、歌を唄うのです。また、演者にとってお客様を歓ばせるということは絶対条件です。だからお客様は絶対者、神様なのです』
出典:「お客様は神様です」について
しかし、このフレーズが一人歩きし、いつしかお客様の心の中に「お客様は神様」と言うフレーズだけが残ってしまった。
しかし、このフレーズが真意と離れて使われる時には、例えば買い物客が「お金を払う客なんだからもっと丁寧にしなさいよ。お客様は神様でしょ?」と、いう風になるようです。そして、店員さんは「お客様は神様です、って言うからって、お客は何をしたって良いっていうんですか?」という具合。俗に言う“クレーマー”には恰好の言いわけ、言い分になってしまっているようです。
出典:「お客様は神様です」について
ごく一部の勘違いしてる人達が「金払ってんだぞ!お客様は神様だろ!!」と、なっているようですが、お店の商品や、サービスへの対価としてお金を払うことは当然のことで、それで会社や商売が成り立っていきます。しかし、お金を払う=お客様が上=神様ということではないんですよね。
オフィシャルサイトにも、三波春夫さんがいう「神様」とは飲食店やその他サービスを受ける方々のことではなく、客席にいらっしゃるお客様とステージに立つ三波春夫さんという形の中から生まれたフレーズ・・・と言う説明があります。
そして、三波春夫さんはこうもおっしゃってました。
ある時こんな質問を受けたことがあります。
「三波さん、お客様はお金をくださるから神様なんですか」と。私はその時その人に聞きました。
「じゃああなたは神様からお金や何かをもらったことがありますか。お賽銭を上げてお参りするだけでしょう」出典:http://www.minamiharuo.jp/blog/2009/12/3_34.html#more
間違った意味で語り継がれる
この間違えて覚えたフレーズから、ごく一部の方々はクレーマーとなり、気に入らないことに対して文句を言い続ける。
お金を払えば、何をしても許される?もはや、職業と化しているようにも思える。
相手が何も言えない立場と、わかってるから?・・・だから言い続けるのかな。
確かに、どう考えても店員さんが一般常識的におかしいんじゃない?という場面にも遭遇することはあると思います。
しかし、それとこれは別の話。
ここで、誤解のないよう言っておきますが、苦情、クレーム等が悪いと言っていうるのではありません。わざわざ指摘を下さるなど、本当にありがたい事だと思います。
しかし、クレームとクレーマーは少しニュアンスが違いますよね。ゴネ得なのか、それともストレス解消なのか。そして、一番たちが悪いのが・・・クレーマーと呼ばれる方々は自覚がないこと。そして、その話を自慢すること。だからどんどん増えていくのでしょうね。
そんな人達が、改めて本来の意味を知ることで、自称神様は少しでも減り、訳のわからない文句も減るんじゃないかな?って思いましたが・・・それは甘いかな?ま、いつかその人達も気付くときが来るでしょう。
ちなみに、私が美容師としてやってきたこの長い年月、まだそういうお客様にはお会いしたことはありませんが。
と、いうわけで・・・
ご来店されたお客様に喜んでいただけるよう、私はこれからも澄み切った心で施術に挑み、美容師としてお客様から「ありがとう」という最高のご褒美を頂けるようがんばります。
ん?今だれか疑った?(笑)